蚊って冬の時期死ぬの?冬にも蚊に刺されることってある?

このところ地球温暖化の影響か、蚊の発生時期が早くなっているような気がする。

通常、蚊が活動を始めるのは3月の終わりから4月のはじめ頃、温度がやや落ち着き20℃くらいに安定してきたころだね。

蚊にとって最も活動的になれる気温は25℃から30℃といわれている。そのころは僕らも肌に露出が多くなり、その結果手足を頻繁に蚊に刺される結果にもなりますね。だからその時期の蚊の活動についての印象はかなり強いよね。

夏場の気候が蚊の活動と生態サイクルをスムーズにしていることは確かだけど、個体としての彼らは冬場どうしてるんだろう・・?

成虫の寿命は大体2か月から長い種で6か月あるといわれる。だけど、すべての蚊が、気温が低下してくる初秋迄に生態サイクルを終えているとは限らない。

まして、地球的規模の温暖化現象が起こっている今、その影響の網の目は凄く細かいから、彼らもそこに引っかかってしまうだろう。

冬場の蚊の活動にもちょっと気を配ってみようか。

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蚊は寒い冬の時期にどうしているのかな

蚊の生態サイクル(卵-幼虫-蛹-成虫)は始まった時期によって異なるけれど、一般に夏場では不可から成虫になるまで10日から15日だからこれを基準にしてみる。

成虫でいる時期はその環境によってまちまちだから、羽化が遅くなった蚊は冬場をやり過ごさなければならない。

蚊は15℃くらいになると動きが鈍くなり、35度を超えるとやはり活動ができなくなってくる。暑すぎても寒すぎても彼らの活動は鈍くなるわけだ。冬は蚊にとって過酷な環境になるよね。

日本でよく見かける3種類の蚊について見てみよう。

 

アカイエカ

アカイエカは4月初旬に吸血活動を開始し、最盛期は梅雨の時期から9月ごろまでといわれる。メスの吸血活動は主として夜間の屋内が主戦場。最盛期を過ぎ、次第に寒くなってくると動けなくなって休眠状態に入ります。つまり、成虫のままの越冬です。

近場では民家のほの暗い押入れや物置、下駄箱の隅などでひっそりと過ごします。集団で洞窟でも見られるし、ボクの住んでいる田舎だと、人が住まなくなって久しい空き家でも見られます。

ただ、全部メスですね。悲しいかなオスは種の保存・繁栄ということについてはメスほど大任を仰せつかってないらしく、冬場までは長らえないようだね。

 

ヒトスジシマカ (藪蚊) 

 

ヤブカ属であるヒトスジシマカ(背中の白い一筋のシマ、局部の節部分が白い)は冬場にはすでに成虫の役割は終わってる。

卵は山野の水たまりや樹木の穴だけではなく、我々の生活環境にうち捨てられて顧みられない空き缶、古タイヤ、植木鉢の水受けなど、およそ水が溜まってしまう場所にはことごとく産み付けられる。少々の乾燥では死滅せず、逞しく生き長らえる。

そして雨が降り、再び水に恵まれると孵化して幼虫になる。

ところが、幼虫になってもすでに季節的に成虫としての活動を全うできない時期であれば、一部の卵はそのまま孵らず、卵のまま越冬するんです。種の保存のためのしたたかな遺伝的戦略ですよね。

 

チカイエカ

この蚊はイエカ属で、アカイエカよりちょっとだけ(0.5mm程度)小さいですが、外見にはどっちがアカイエカでどっちがチカイエカなのかボクにはわかりません。ちょっと小さいアカイエカなのか、ちょっと大きめのチカイエカなのかね。

ただ、この蚊の生態は他の2種とは異なるので、時期的な区別はつきます。

チカイエカは休眠しないんですね。冬場も活動するんです。しかもこいつ、2度目からは他の蚊と同じように吸血しますが、1回目の産卵には吸血しないんです。

チカイエカはその名の通り、地下鉄の駅の構内やホームの窪みなど、比較的冬の時期でも温度が一定に保たれている場所に生息しています。そしてそこから広く建物の地下にその繁殖範囲を広げてゆきます。

マンションやオフィスビル、そこからヒトや車を介し、各家庭へ。通常の飛行範囲のはるか圏外の高層ビルの最上階でもエレベーターの昇降によって到達してしまいます。

1回目の産卵には血が必要ないんだから、人の行き来が少ないマンションの地下倉庫でも水があれば産卵できる。

生態サイクルは冬場でも回っていて、「どうしてかゆいんだろう」と、まさか蚊に刺されたとも思わず、朝になって、暖かい布団から出ていた首筋をポリポリ掻きながら、起き出す人もいるんじゃないかな。

要するに冬に蚊に刺される可能性もあって、冬に刺されたらコイツが原因ってコト。

水がなければ卵は産めないんだけど、地下駐車場で洗車したりするための排水溝や、汚水のための排水槽があれば駆除はなかなかむつかしい。大がかりに消毒剤や殺虫剤を散布しても一匹残らずというのはむつかしいよね。

 

地球の温暖化と冬の時期の蚊の活動

地球がホントに温暖化しているのかどうか、CO2説から太陽との関係説、地球自体の寒暖のサイクル、氷河期などの周期の問題など、どれが正解かなのかはボクにはわからない。

でも、かつては明確な春夏秋冬の四季の移ろいがあったこの小さな島国でも、夏場の温度は間違いなく上がっているし、冬場はめちゃめちゃ寒い。春と夏、秋と冬の境目が曖昧になってきていると感じる。

蚊はそんな環境の中で生きています。彼らの持っている生態サイクルが一年の中で何度も繰り返されるような温度の平準化が起こるかもしれない。熱帯のような大雨に見合った熱帯のような蒸し暑い気候。その気候に合った外来種の蚊の発生も考えられるよね。

 

 

蚊の冬の時期の活動-まとめ

温暖化の話はともかく、蚊が活動する時期って、確かに夏場が中心だよね。でも冬場に全然いなくなるわけじゃなかった。

  • アカイエカのメスは気温が低くなった冬場は活動をやめ、暖かくなり、活動可能な気温が安定するまで休眠する。
  • ヒトスジシマカは卵のまま越冬する
  • 冬に蚊に刺されることもある
  • 冬に蚊に刺されたらチカイエカが犯人

チカイエカは冬場でも成虫は活動できる。しかも、地下の温度が安定した場所では血を吸わなくても1回目の産卵をすることができる。冬が暖かくなってきて蚊の活動も長く伸びたんだと考えるより、冬の蚊なんだと考える方がいいんじゃないかな。

蚊は冬の時期どうしているのか、種類によってさまざまというところでしたが、したたかですねえホント。

おつかれさまでした。

読んでくれてありがとう。

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