
夏が近づき田舎のボクの住んでいるところではちょっと外に出ると田んぼが広がっている。河原には草原ができ、そこにはたくさんの虫が活動しています。
気を付けなければいけないことも増えてきているね。
犬や猫は古来から狩りをする動物でした。彼らが人間と一緒に暮らすようになっても遺伝的に受け継いだ狩猟本能は失ってはいない。雑食性であり、環境に応じてスカベンジャー(腐肉食性)であったり、肉食や草食性を発揮もする。
そんな彼らが敏捷な小動物や、昆虫に反応するのは、訓練によって制御される場合は除いて、遊びと紙一重であり、時に本能のままに喰っちまうこともある。
さあ、その時だね。食べてしまって大丈夫なのかな。ちょっと調べてみたよ。
犬や猫はどうして虫を食べるの?
猫がネズミやスズメや蝉を咥えて同居人である飼主に誇らしげに見せに来たり、子猫に死にかけた獲物を与えて、狩りのまねごとをさせるのはよく知られてる。
犬は猫よりも人間に寄り添って暮らしてきた歴史を重ねていて、猫ほどではないけれど、虫を追いかけまわして食べることもよくある。
どこまでが遊びでどこまでが狩りなのかはっきりしないけれど、一息ついて飽きてきたらむしゃむしゃ食べてしまうこともある。
これは犬や猫がもともと狩猟性の動物であり、本能的に昆虫が貴重なタンパク源であることを知っているからだろうね。たとえキャットフードやドッグフードで毎日必要なタンパク源を完全に補っていても、彼らはゴキブリやコガネムシや、バッタを見ると本能的に追いかけまわし、捕まえたくて夢中になります。
特に食べるときの触感がいいのか甲虫類。彼らは噛み応えのある堅い翅(はね)を持っている虫が好みだね。ある程度大きさもあるからね。
その時の犬の表情や耳や尻尾の反応、猫の口元や目の開き方、まさに遊んでるときの無垢の本能がむき出しになっているよね。この本能をただ叱って抑えることはむつかしいよ。
でもね。可愛がってる猫ちゃんが甘えてすり寄ってくるとき、その口元からゴキブリの足が見えてたら、君、どうする? 悲鳴ものだよね。
犬、猫が虫を食べても害は無い?

犬や猫が虫を食べるってことに納得しても、それが彼らの体に害を及ぼすかどうかはまた別の問題だよね。安全だって言いきれない。
安全だって言われているもの
この方が意外と少ない。例えばカマキリなんかに寄生しているハリガネムシ。これは人間がお腹の中に寄生されるのと同様、犬や猫に寄生することもある。一般的に寄生虫は宿主に寄生して共存するタイプなので宿主が死んでしまうような共倒れはしない。でも、共存しているって言っても一方は寄生されているわけだから、気になるよね。
カマキリだけに限らず、セミやトンボ、バッタ、なんかも同じだね。大体平気だろうけど、心配なら犬猫用の虫下しを飲ませる方がいいよ。動物用医薬品として売ってる。
危険だと考えられるもの
それ自体有毒であるもの、蜂、毒蛾・毛虫、特に蜂には注意すべきだね。

蜂
食べる以前に刺されて唇や瞼が腫れあがることもある。とりわけ犬は慌てて飼い主がやめさせようとすると、獲物を取り上げられると思って、まだ生きている蜂でも、一気に飲み込んでしまおうとして口の中を刺されることがある。気道や食道が腫れあがり、慌てて病院へ駆け込むことにもなりかねない。
また、犬や猫にもアナフィラキーショックは起こる。刺されてから数分で涎や嘔吐、失禁や失便を確認したらアレルギー反応が出ていると判断して、大急ぎで病院へ行くしかない。
黄色と黒のシマ柄。自然が作り出した警戒色だよね。危険表示なんだから自然の中で生きていたころの犬や猫は本能的に避けていた獲物なのかもしれないね。
毒蛾-毛虫

蛾の鱗粉には不快成分があって、「私を食べるとまずいよ」と知らせてくれている。一度口に入れて経験するともう、二度とやらないでしょうね。
でも、本当に危険なのは幼虫の方なのです。ドクガ属に属する蛾は日本では50種ほど確認されていて、体を覆っている毒針毛は触れると皮膚にその細かい毛状の針が刺さる。人間でも皮膚炎を起こす。犬、猫が食べようとしてその毒針毛が口の周りに付いたら取れないので、舌や前足でこすって取ろうとしてかえって被害が大きくなる。
ドクガの幼虫は見た目も危なそうですが、人と暮らし始めて自然の中の約束事に疎いペットとなった犬や猫は自分の体が「危ない!危険!危険!」と知らせてくれている遺伝のシグナルよりも旺盛な好奇心に従うこともありますからね。
それ自体は危険ではないけれど…
典型はゴキブリ 犬や猫は噛み応えがある虫が好みだけれど、これはセミやコガネムシと並んで彼らの好物。家の中で追いかけっこできる格好の獲物。ゴキブリ自体は食べてもなんてことはないみたい。別に何ともなく平気な犬や猫が多い。
でも、下水や排水口とか、住んでるところが清潔じゃないんだから寄生虫が付いている可能性は捨てきれない。
いわゆる回虫やサナダムシのような条虫(じょうちゅう)というやつ。前述のカマキリのハリガネムシよりもかなり大型。回虫は便や嘔吐物の中に見つかる白いミミズのような寄生虫。犬や猫などの動物の腸に寄生し、宿主の摂取した炭水化物やたんぱく質を栄養源にする。 余談だけれど、サナダムシを研究しているおじさんがいて、彼はサナダムシを自分の腸に寄生させ、自分が食べた栄養を共有することでダイエットしている。何度かテレビにも出演してたけど、見たことないかな。
条虫は腸の粘膜に食い込み、体を固定して栄養物を効果的に吸収する。犬や猫の肛門に白い粉のような卵が付着していることがある。寄生虫は宿主が死なないように共生をするけれど、皆がサナダムシおじさんになれるわけじゃないからね、やはり、病院に行って虫下しを処方してもらうのが望ましいね。
ゴキブリは不快害虫の王様だから、日ごろから殺虫剤や駆除薬に晒されていて、即死しないタフな虫なので、犬や猫が食べた後、駆除薬の影響を受けてしまう恐れがないとは言えない。食べた後、下痢や嘔吐をするようだったら獣医さんに相談する方がいいね。
そして、最も注意すべきは個体によってゴキブリがサルモネラ菌を持っている場合だね。
サルモネラ菌は人畜(じんちく)共有(きょうゆう)疾患(しっかん)の原因菌であり。人にも感染し、急性胃腸炎や敗血症を引き起こす。犬や猫が発熱、嘔吐、腹痛、下痢症状を引き起こし、いつもの元気がなくなってたら医師の診察を受けさせるべきだね。
ゴキちゃんを食したお口で飼い主のあなたのお顔や口元を親愛を込めて舐めに来る。いつものご挨拶が違って見えてこないとも限らないね。でも、これは大事なペットの居住スペースにゴキブリが頻繁に出没する生活環境を作ってしまっている事こそ問題なんじゃないかな。
犬や猫は大きい虫も食べる?
犬や猫は大きな虫も食べるのか、獲物ということでは大きい方が相手にとって不足はないだろうね。むしろ犬や猫にアピールするのはある程度大きく、食べ応えがあり、狩りとしてふさわしい相手が、大型の昆虫に多いということは言えるようだ。
ただし、どうしていいかわからないほど相手がでかければ、狩猟に伴う遊びが成立しない。よっぽどお腹が減っていないと相手にはしないかもしれないね。
大きい獲物は規格外でなければ相手にすると思っていい。蜜蜂の素早さに対応するよりも、腸菌やO-157を媒介する小さなハエを相手にするよりも食べ応えがありそうだし。

でも、その大きいという基準が問題だね。世界最大の蛾といえば与那国島で発見されたヨナクニサン(翅を広げた長さは30センチ!)だけれど、出会うチャンスはまずないだろうしねえ。まあ、そうなるとスズメより大きいということだから獲物としては申し分ないだろうね。オオカマキリくらいの大きさは結構手ごわいけど闘うよね。
虫の大小はあまり関係ないみたい。
でも、カメムシのような小さくても臭いという強力な防衛機能を持っている小さな虫には手も足も出ないこともあるね。
犬や猫は虫以外も食べる?

犬や猫が捕まえて最終的に食べてしまうのは狩猟の本能の結果だとすれば、彼らが虫以外の動物に対して同じ行動をとるという方が自然な結論だね。
猫がネズミを狩ったり、スズメを狙ったりするように、野良犬は鶏を狙うし、モグラやカエルやトカゲといった両生類や爬虫類も共通の獲物でしょう。これらはまだ人間との共同の生活を始めていない野生の時代の名残だし、犬や猫の本来の姿であるといえるね。
でも、彼らが野生を捨てた時、次第にもともと持っていた病原菌や寄生虫への対処の仕方や体の強さも失ってきた。そして、現代のネズミやモグラやカエルやトカゲは当時の彼らのフィールドには存在しなかった病原菌や寄生虫を宿している可能性もある。
そして彼らが食べるのは虫や小動物だけではない。犬も猫も草を食べる。毛玉を吐き出すために猫が草を食べることはあるし、犬が野原で頻繁に草を食べるのも知っている。
野生のチンパンジーが様々な種類の野草をその体調に合わせて食べているという研究結果もある。
それらの行為にはやはり彼らが野生動物であったころ、自分達が食べたものが持っていた寄生虫や病原菌を体外に排除するためにとる自然の行為なのかもしれない。
まとめ
・犬や猫はどうして虫を食べる理由
犬、猫が虫を食べることは本来彼らが持っている雑食性の動物の本性だといえますね。人間の生活圏の外にいたころの犬や猫にとって虫は貴重なタンパク源だった。
・犬、猫が虫を食べても害はないのか?
人間が与えるドッグフードやキャットフードとは違い、彼らが自然相手に口にするものにはそれなりの危険が伴う。虫を食べることは無害とは言い切れない。寄生虫や病原菌を持っている個体もいる。当然害があることだって考えなければならないね。野生動物だった頃の犬や猫の逞しさは危険に先回りするボクら人間が次第に彼らから奪ってきたのかもしれない。
・犬や猫は大きい虫も食べる?
小動物も食べる彼らが大きいからと言ってしり込みするとは思えない。手も足も出ない大きさの虫ってなかなか日本で見ることはないし、オオカマキリ程度だったら躊躇しないでしょうね。
・犬や猫は虫以外にも食べる?
犬や猫はもともと雑食性だから野生動物であった昔から虫以外の小動物は相手にしていたと考えるのが自然だね。ネズミやトカゲやカエルなどは格好の獲物だろうね。
だけど今は彼らはペットとして、あるいは人間と生活圏を野良ネコや野良犬として生活している。それでも、彼らは自分の体長より長い蛇にだってチャレンジする。
それが犬であり、猫であるかれらのルーツなんだと納得して、彼らを危険から遠ざけてあげなければならない。怒るだけでも、ほめるだけでもダメなほど複雑な知恵を持っているんだよ彼らは。
だから説得も警告も間にあわなくて、今僕らの隣にいる犬、猫がカエルを食べてしまって嘔吐したり、毒をもった蛇を相手にすることだってある。経験の蓄積が彼らに危険のシグナルを明確に発動してくれているのに気づかない。あまりに人の近くでの暮らしに慣れてしまっているんだね。
だからやはり、虫と同じように食べてしまったときはよく観察し、おかしいなと思ったら病院へ行くべきだろうね。
読んでくれてありがとう