蚊の生態や種類について!コイツら一体どんな生き物なんだ?

蚊!

蚊に刺されたとき、僕は思いっきり叩くけど、あとは薬ぬって済ませてしまう。生態はどうなのかとか、どんな種類がいるんだろうとか、あんまり立ち止まって考えたりはしなかった。

僕が考え直したきっかけは平成26年のデング熱の大騒ぎのときでした。暑くなってきましたね。皆さんもそろそろ蚊の活動が活発化するシーズンに入ってくる今、ちょっと考えてみませんか。敵を知ることも大事ですから。

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あなたがよく見る蚊の生態を知ろう!

一体今の蚊って生態はどうなってるんだろう。

4年位前海外から帰国した旅行者からデング熱のウィルスが発見され、媒体となるヒトスジシマカ(藪蚊)が日本に普通にいる種類だったため、新宿御苑とかでは一斉に駆除が行われていた。 

当然、そこには専門家がいて、的確な指示を出しているのです。保健所のおじさんたちがやみくもに殺虫剤をばらまいているわけではありません。つまり蚊の生態について、知られていることに従って行うわけです。

冒頭で冬でも刺されると書きましたが、夏場だけでなく、冬場でも活動する種類の蚊にとって、現在の日本の気候がより住みやすくなってきているということです。

 

蚊が活発に活動する気温

蚊が活発に活動する気温って言うのは25℃から30℃、つまり夏日をむかえ真夏日までということです。

この温度の範囲内であれば十字架が効かないドラキュラみたいなものです。血を求めて朝から晩まで飛び回り、吸血しすぎて体が浮きあがれないほどお腹を膨らませて必死で低空飛行している奴らを見かけることもあります。

35度を超えるとやる気がなくなり、温度が下がるまで葉の裏や日陰で休みます。

また気温が15℃を下回ってくるとすっかりおとなしくなって、血を吸うこともなく、秋の前半には一生を終えます。

でもこれがすべての種類の蚊に当てはまるわけではありません。

種類によっては昼から夕方にかけて主に外で活動するもの、昼間はじっとしていて夕方以降に動き出すもの、ほぼ一年中生態のサイクルを繰り返し活動するものとかさまざまです。まったくコイツら一体どんな生き物なんでしょう。

 

蚊は産まれてどのくらい生きてるの?

蚊の生涯はその種類が主に棲息する環境にもよりますが、通常、孵化してからすさまじい勢いで一生を駆け抜けます。

蚊の生態サイクルはいわゆる完全変態(卵→幼虫→蛹→成虫)というやつで、生育の際の気温にも左右されますが、イエカの一種でよく見るアカイエカでは20℃くらいで14日、25℃の夏日で10日で羽化してしまいます。

そして1か月~長いもので2か月で寿命を迎えるのですね。わが身に引き比べると一生の中身が濃すぎてなんか空しくて儚い。すべての蚊に共通しているのは個の寿命の短さと成育過程のすさまじい早さです。

 

蚊の身体構造や能力は

成虫は2枚の翅を持っていて、後翅は退化し、ハエのような構造です。

大きさはいろいろありますが。15mmから大きいものは珍しいでしょうし、そのサイズで血を吸うタイプは熱帯に生息するものがほとんどです。日本では大体4.5mmから5.5mm程度が一般的です。

ですから飛行能力は風に大きな影響を受け、ちょっとした風で飛行障害を起こします

都会の高層ビルでは上昇する風圧に乗ったりしない限り自力で9階とか10階とかに行き着くのはむつかしいでしょう。

ただし、稀に風の力で運ばれたやつとか、エレベーターなんかに同乗してきたやつがベランダの手入れされず、水が溜まったプランター受けに卵を産めば、たちまち繁殖するでしょうね。

蚊の飛翔距離は例外的なものを探せば記録はあるでしょうが、条件的なものが重なればともかく、蚊の本来の飛翔距離は種によってさまざまとしか言えません。

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蚊のエサ-血を吸うのはナゼ?

すべての蚊が吸血をするわけではありません。吸血するのは現在確認されている全種類の4分の3ほどです。そして、産卵のために血液中のたんぱく質を多量に摂取する必要があるメスに限られます

産卵のエネルギーを必要としないオスは血を必要としません。専ら果汁や花の蜜などの糖質がオスたちの食糧です。

吸血が産卵期の母体の本能であるということは、メスもまた普段は果汁や花の蜜を吸って生きているということです。もっとも寿命が短いから生まれて羽化してすぐに子孫繁栄の大仕事にかかるわけだから、仲良く揃って花の蜜なんて吸ってる暇はあんまりないんでしょうけれど。

またメスが吸うのは血液ですから、すべての吸血可能な生き物はその対象となります。種類によっては牛や馬や鶏などの家畜、犬などの人に近い場所にいるものも吸血の対象になります。

 

蚊が血を吸うメカニズム

  1. 蚊は6本の針を一つにまとめた鞘の部分を吸血する皮膚に押し当てます。
  2. 押し当てた鞘は二つに分かれ、内側に折れ曲がり、6本に組まれた針の中ので、太さ015ミリで先端がのこぎり状になった一対の針で皮膚を滑らかに切り裂いてゆく。
  3. 血管に到達すると②の針の間から3本目の針が侵入し唾液を注入します。この唾液によって血液が凝固しなくなります。(この唾液のたんぱく質が刺された時のかゆみの原因、病原菌も持ってる。)
  4. 唾液を注入すると入れ代わり中心が空洞の血液を吸い上げるための針が侵入し、2分程度でゆっくりと血液を吸い上げます。
  5. 吸い上げた後、その管を引きながら外側からその管を包み、血がこぼれないようにカバーする一対の針が中心の管を包みます。
  6. 針をまとめて引き抜く前にいちばん外側の鋸状の歯の付いた針が反転して歯の部分が内側を向き(凄い!)皮膚に引っかからないように収納され、すべてが鞘に収まり吸血の仕事が完了するのです。

 

その間、人は蚊の唾液によるアレルギー反応が起こるまで、まったく痛みは感じないのです。

これは驚愕のメカニズムであり、今、医療の現場で使用する注射針に応用するため、この蚊の針の構造が注目を浴び、「痛くない針の開発」へと進歩しつつあります(驚!)

6本針の構造を図で見ておきましょう。

 

蚊の針の構造

口吻の中に納まっている6本針の構造です。

 

蚊はどのように吸血しているのか

吸血の仕事工程図

蚊の生態は知れば知るほど興味深いけれど限りがないね。

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代表的な蚊の種類

現在確認されている蚊の種類は世界中で約3000種類といわれます。

そのほとんどがアマゾンのような熱帯地域に生息しており、それらが媒介するマラリアやデング熱、ウエストナイル熱、ジカ熱、家畜に伝染することで有名なフェラリアの病原菌と感染症はよく知られています。

2500種類に及ぶ蚊が熱帯地域に住んでいるのです。まだ発見されていない病原菌が、既発見の感染症症状と類似しているために既存の治療法が効果がないものもあるのかもしれません。

日本ではどうでしょうか?日本に生息している蚊は100種類程度といわれています。そんなに細かい種類がいるのかと思うのですが、もともとマニアックな分類がさらに深みにはまって行きそうです。

そこでここでは日本の代表的な3種類の吸血性の蚊について見ていきます。

 

ヒトスジシマカ

通称藪蚊といわれている4.5mmくらいのやや小型の蚊で、基本黒の体色で胸部の背面に一本の白い正中線があり、白のW字形のまだら模様がある。

藪蚊の名の通り、藪の中のようにわずかな水たまりがあればどこでも繁殖する。基本的に戸外で見られる種類です。媒介する感染症の数も多く、地球温暖化の影響で、日本でも、また世界的にも生息地が広がりつつある。

衛生害虫として世界の侵略的外来種ワースト100に名を連ねている有名種です。(ヤブカ属)

デング熱、ジカ熱、ウエストナイル熱、チクングニア熱、黄熱犬糸状虫症(フィラリア)と、感染症病原中の媒介の大御所。

繁殖数が多いため、無菌培養されたこの種類で防虫剤の試験を行う例が多い。個人的には刺された後の痛さはこの蚊の方が次の2種類より強い気がする。

 

アカイエカ

全体的に茶褐色体長5.5mm この種は家の中でよくみられる。夕方から夜間に活動し、昼間は天井の隅や壁、テレビ台の後、カーテンの裏側などにひっそりと隠れている。(イエカ属 )

有名な感染症である日本脳炎のウィルス媒介者として悪名をはせている。死亡率が高く特に子供は要注意ですね。犬猫にはフィラリア犬糸状虫の媒介者として有名で、獣医さんの病室には必ず、この虫の媒介写真がありますよね。

 

チカイエカ

イエカ属ですが、(地下)イエカ。文字通り、イエカとして人の住む地域を生息地としているが、都会の地下鉄の線路際で合ったり、地下駐車場のわずかな水たまりで合ったりする場所を好む。アカイエカとほとんど見分けがつかないよ。

この蚊は夜間だけでなく昼間も活動し、暖かい場所で繁殖するので適応能力が高く、冬場暖房で外気より暖かい家の中では問題なく活動する。冬場は蚊がいないはずなのに刺されていることがあるが、まずこいつのせいだね。

フィラリアの媒体。西ナイル熱を媒介することもあります。

 

【まとめ】蚊の種類と生態から見えること

 今まで見てきた蚊の種類や生態のそれぞれの特徴をもう一度おさらいしましょう。

 

  • 飛翔能力の低い蚊の行動範囲は狭い。
  • 蚊のサイズは大きなもので15mmくらい。日本の代表的な蚊では4.5mmから5.5mm程度。
  • 蚊が活動する温度は20℃から25℃で、30度を超えると暑すぎ、逆に15℃くらいだとまだ活動が活発ではありません。
  • ほとんどは夏場の風物ですが、チカイエカは屋内では冬場でも活動します。冬場の注意ですね。
  • 生態的には蚊が吸血するのはメスのみで、卵を成熟させるわずかな期間でした。

これらのことから見えてくることがありますね。

この小さな衛生害虫たちを100%の防御することはむつかしい。でも、狭い活動範囲に密集するヤブカのいそうな場所に出かけるときには半袖より長袖。肌の露出は避けましょう。

アカイエカでは昼間隠れているような場所にこまめに殺虫剤を噴射するとか、チカイエカには冬場も寝室のベッドの下とか暖かく温度の安定している場所を殺虫スプレー等で潰しておくとか蚊に刺されないための予防を行ってゆくことが大切ですね。

庭にある空き瓶に雨水が溜まっていませんか?プランターの水受けは掃除してる?家の前の排水路に水がよどんでいない?

僕ら人間が住みやすくしてしまった奴らの、生息範囲をこまめにチェックしなおしてゆくことが大切でしょうね。

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