クジラが大爆発!?爆発の理由・恐るべき威力・臭いについて・・・!

海岸に漂着したクジラの死体が爆発した。」というにわかには信じがたいニュースが、全国各地に存在するのをご存じでしょうか?

動物が爆発?なぜ?もしやどこかの国の陰謀・・・・?

今回は、この不思議な現象について、ご説明させていただきたいと思います!

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過去にあったクジラの爆発事例

・1970年、オレゴン州の沿岸にマッコウクジラの死体が漂着

ダイナマイトで爆破して解体しようとするが、想定以上の大爆発が発生した。

ダイナマイトで爆破という発想がなんともアメリカっぽいですね。このときの事件を聞いた人たちは、「さすがに荒唐無稽な話だ」と考えたようで、一種の都市伝説の一つとしてまことしやかにささやかれている程度のものだったそうです。

 

・2004年、中国台湾にて、体長17メートル、体重50トンの腐敗したマッコウクジラが漂着。

解剖のため、トラックに載せ台南市の中心街を輸送中に爆発した。

市街地の中で爆発したという、世にも恐ろしい事例です・・・。この例ではダイナマイトなどの火器の使用は行っていません。トラックでの運送中の揺れなどが、爆発の起因になっているのでしょうか・・・?

クジラの体に、小さな衝撃でも爆発するニトログリセリンのようなものが詰まっていたのでしょうか。

 

・2013年、フェロー諸島にて、漂着したマッコウクジラの死体を解体すべく、作業員が腹部に刃物を挿入した際、クジラの腹部が爆発を起こした。

この事例では、完全に人間が巻き込まれています。やはり、外部からの刺激が爆発の原因になっている可能性が高そうですね。刃物をさした方は、無事なのでしょうか?一体どれくらいの威力があるのでしょうか?

実は、この爆発事例に関しては、YouTubeに動画が存在していますので、気になる方は見てみてください。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=XzfPqCCMb5g

 

そもそも、なぜクジラの死体が爆発するのか?

実は爆発の最大の原因は、「メタンガス」です。

生物が死んだ場合、体内のバクテリアの作用で腐敗が進み、それにともないメタンガスが発生します。

そしてクジラの体内に閉じ込められ、行き場をなくしたメタンガスが体内で圧力を増してゆき、巨大な爆発を発生させてしまっていたのです!

 

物理的な衝撃だけではない!クジラ爆発のその威力とは!?

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その巨体からくりだされる爆発は凄まじく、爆発で飛んだ肉片によって自動車の屋根が潰れるほどです。

しかし、本当に恐ろしいのはその強烈な「悪臭」にあります!腐敗した血や内臓などは、たとえ小さな動物でさえ、強烈な腐敗臭を放ちます。

わたしも、多くの動物を自宅で飼育しており、否が応でも動物の死と直面する機会が多いですが、出張などで気づくのが遅くなったときなどその臭いをかぐことがあります。

乾く直前のイカのような臭い」と例えられることも多いですが、なんとも説明できない、動物の死体特有の不快な臭いです。一度、服やモノにつけば、その臭いはなかなかとれません。

生きとし生けるものすべてに「死」を生々しく伝えるためにあるかのような、非常に不快な臭いとしか、私には説明する言葉が見つかりませんでした。

クジラが爆発することによって、その臭いが一気に放たれます。発生源である血や内臓がそのまま飛び散るので、近隣の人々にとっては、まさに地獄絵図となるわけです。

さらに、腐敗した食品を食べるとお腹を壊すことから分かる通り、動物の腐敗した死体というのは、さまざまな雑菌やウィルスの温床となっています。それが爆発によって飛散するわけですので、当然感染症などの危険性も非常に高く、大変危険なのです!

 

爆発だけではない!クジラの死体による恐るべき脅威・・!

上記のように、漂着したクジラの死体は、まるでいつ爆発するか分からない不発弾のようなものです。近隣住民からすると、恐ろしくてたまったものではありません。

日本でも、クジラの死体が海岸に漂着した事例が何件も存在します。それぞれの自治体は、その不発弾顔負けの巨大な物体を、慎重にかつ迅速に処理しなければなりません!!怖すぎる!

しかし、近隣住民の願いとは裏腹に、処理が迅速に行われることはほとんどないのです・・・。マッコウクジラは、大きいもので50トン以上の重さになります。これを廃棄処理場に運搬し、処理を行うのに、数百万円かかるとのこと。

その金額を負担するために、都道府県や国に補助金を申請したり、骨格標本をつくるために研究機関から処理方法に細かい指示があったり、そんなこんなで、処理開始に時間がかかればかかるほど、内部のメタンガスによりクジラの死体は爆発の可能性が高まってきます・・・

そしてその危険度の増した死体の処理を慎重におこなうために、さらに処理に費用がかかったり・・・

そのため、漂着したクジラの死体は、対応が決まらず何日も海岸におきざりにされることもあるようです。おそろしい話ですね・・・

 

あなたの街にクジラが漂着したら!?近年の漂着クジラの処理方法

ここまでさんざん、クジラ爆発の脅威についてお話してきました。

毎年、世界各地でクジラの漂着は多数報告されています。しかし、実は実際に爆発した事例はほとんどありません。一体どのようにしてクジラの死体を処理しているのでしょうか?

実は、日本には「漂着クジラの処理方法マニュアル」が存在します。

基本的には処理場に運搬するようになっていますが、運搬が難しい場合は、土を掘って埋めてまったり、その場で焼却することもあるようです。

素人考えでは、「海の生き物だし海に運べばよいのでは??」と考えてしまいますが、クジラの死体は、その血の臭いから、サメを呼び寄せる性質があり、むやみに近隣の海に流すとサメがビーチなどに集まって非常に危険な場合があるそうで、海にながす場合はかなり沖合のほうまで運搬する必要があり、費用が増すそうです。

ニュージーランドでは、600頭以上のクジラが、一斉に打ち上げられたことがあります。その際は、爆発をさけるために、死んでしまったクジラから腐敗が始まるまえに、刃物で穴をあけて爆発を回避したそうです。

そのときに処理作業をおこなったボランティア団体は、生きているクジラを海岸に運ぶ作業を行っていたそうですが、それでも助けられなかった多数のクジラに穴をあける作業を行う姿は、想像しただけでもいたたまれない作業になったことだろうと思います・・・。

 

なにかと世間をお騒がせするクジラの死体達

クジラの死体が漂着すること自体は、決して少ないことではないようですが、生きたクジラが座礁したり、死体が漂着するのには、地球規模での原因があることが多く、さまざまな研究がされています。

たとえば、ニュージーランドのクジラが大量に座礁した事例などは、その直前に巨大な地震が発生しており、それにともなう電磁波の影響でクジラの精密なソナー能力が混乱してしまいおこったものだと考えられています。

その他にも、潜水艦や大型船舶が出すソナーがクジラに影響を与えているとも言われており、人間が原因での事例も多数あるようで、一人の人間として考えさせられる部分もおおいです。

ちなみに、ネットニュースなどで「謎の未確認生物の死体が海岸に漂着!ネッシーかはたまたシーサーペントか!?」などという記事をたまに見ますが、そのほとんどが、DNA鑑定すると腐敗したクジラの死体であるようです。

 

総括

広大な海で生活するクジラ。それが陸で爆発するというのは、我々人間でいうと、近年問題視されている孤独死に近いもののように感じます。

爆発というインパクトに埋もれてしまいそうですが、記事にまとめるなかで、どこか切ない気持ちにさせられてしまいました。

もし自分がクジラだったら・・・・

爆発して死ぬのだけは勘弁願いたいですね。

クジラの種類図鑑!わかりやすくカンタンに代表的なクジラを紹介するよ

2018.04.26
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